皆さんご存知、萩の月。
その本店は広瀬通りにありました。
つっても、蔵王の飴屋として創業して、その後は大河原町を本拠としていたらしいので、仙台の老舗菓子店というよりは、昭和の銘菓戦争に大ヒット作をぶち込んだお土産メーカーの印象ですよね。
そんなわけで、立派に構えた店舗も、いまいち根が張らん佇まいなんだよな。
アーケードの人通りからもちょい離れているし、観光客は駅での購入がほとんどだろうから、こちらは地元の皆さんが車でお使いものを手配しにくるような用途かもしれません。
平成に入り「ロワイヤル・テラッセ」というブランドで洋菓子色を強めており、デパートなどの店頭で特に人気を集めているのが、この生パイです。
舟型にかっちり焼いた生地に、甘さ控えめなカスタード風味の生クリームを詰め、上からパイ片や粉糖、アーモンド粒を散らしたもの。シンプルでありつつ、印象に残るお菓子なのですが、ことさら元祖を謳わない点から、どこぞ山形に原型がありそうな気もします。
冷凍もできますが、生菓子なので、はるばるお土産で持ち帰る躊躇しちゃう品。他に現地でいただけるカフェ等もないのですが、本店でお願いすると、無料のコーヒーと共に店内でイートイン出来るので、お味見には手っ取り早いです。
この際、支払うのは商品代だけだし、他のお客さんもあんまり来ないから、実は仙台有数の穴場な休憩所かもしれませんな。
そして、未だ家族にお土産リクエストされてしまう萩の月よ。
出張リーマンどもが購入に列をなしている駅ビルエスパル店にて、簡易包装箱のを購入してきました。
ご存知のように、カスタードを包んだふんわり柔らかなケーキ。
ご当地の仙台駄菓子とは対極にあるような、東北の民が胸に抱く憧れを形にしたようなお菓子よね。
口にいれるとほんわか卵の香がして、そこがこいつの最高潮。
日持ちのカスタードクリームはややモソの口当たりで、巷にもっとおいしいもんがあふれている現代において、未だに最強格なのは、ひとえに知名度の高さゆえというか、昭和時代からの刷り込みが強すぎるのよ。
それこそ、焼き立ての”生萩の月”を売り出せば、すげーヒットするんじゃねーかしら。
この日は東京限定の白い「萩の調 煌」の販売に、仙台民が大行列してて、なんだかんだいいつつ、地元支持も馬鹿にできないことを知るのでした。
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