すっかり胃が弱ったオッサンが泣きながら食べまくる旅シリーズ。
今回は宮崎市にやってきました!
いやはや、初めて訪れるし、何も知らん土地なのよ!
私だけでななく、マンゴーを持ったそのまんま知事の顔しか思い浮かばん方も少なくないんじゃなかろうか?
そんな宮崎になぜ訪れたのかというと、私の徒歩旅の条件に合うんじゃないかとオススメされたからなのです。たしかに、県庁所在の中核市だし、空港にも近く、ご当地グルメもたくさんありそうだったからさ。
年間を通して温暖な気候で日照時間も長い宮崎市。
経済の柱は観光業とのことだけど、風光明媚や歴史文化の探訪というよりは、ひたすらにゴルフ&ゴルフ&ゴルフなイメージなのよ。
朝の飛行機に乗ってきたのも、ビジネスマンというっよりは日焼けしたオッサングループが多そうだったしな。
実際、広い青空とキレイな砂浜の海を目前にした宮崎平野は、開発用地にも不自由しなさそうなリゾート好環境に見えるのです。
しかし、バブル末期のシーガイア以降、大きプロジェクトな動きはさっぱり途絶えたようで、シーガイア自体も破綻して、紆余曲折してる状況なんだよな。
私も一発拝みに行く予定だったんだけど、中心市街からのアクセス手段に乏しく、レンタカーは必須だし、一旦籠もってしまうと、遊びや飲みに出ることもめんどくさい施設のようで、こりゃゴルフ合宿所以上の何ものでもねぇな。
そして、見てください、このノーテンキ!!
これら浮かれきったワシントンヤシは、ご当地の南国ムードを演出するため、1960年代から植栽されたものらしく、流石に伸びすぎて、台風に耐えられるのかと心配しちゃうくらいだけど、目下、少しづつに植え替えが進行しているんだって。
昭和の時代には ”宮崎観光の父” と呼ばれた宮交創業者の岩切章太郎の号令でもって、様々な開発が行われ、新婚旅行先としての大ブームもあったらしい宮崎。いや、マジかよっ!
今も観光地としての旅情は十分に思えるのだけど、じゃあ、実際にどんな旅程を組み立てるのかと聞かれると、当時の枠組みはほぼほぼ老朽化していて、パッとしなんだよな。
中心市街に主要な名所があったり、お土産屋さんなどの観光街があったりするわけでもないから、徒歩旅の場合は特に目的設定に困る土地でもありました。
メインストリートたる橘通りには大型の日よけが印象的な商店街。
どこか懐かしさが漂う風景ですが、大量の公衆電話が現役だったりするのは、ちょっと怖いです。
方言はどっかで聞いたことのあるようなイントネーションで、むしろ沖縄とかに近いのかも。
その橘通りを挟んで、一番街と若草通りというアーケード。
いずれも、日中の人通りはまばらですが、前者は夜の匂いをまとい、後者は若者カルチャーの気配も見えて、意外としぶとく頑張っている印象なのよ。
ただ、表通りに面したビル郡はかなり老朽しておりますし、歯抜けも埋まりません。
一本裏に入ると、とりあえずの駐車場が多かったり、廃屋がなかなか処理されないような状況もあるようで、現在の大繁華街の体裁を維持するのはギリギリな状況だろうな。
橘通りの西側には、宮崎の一大歓楽街であるニシタチです。
ニコニコ顔のオッサンたちが集う、これも相当な規模の飲み屋街だったんだけど、わりと勝敗がくっきりしているというか、ごく少数の行列店と、しっとり営業、もしくはガラガラのお店に分かれる感じで、全体で見ると派手な景気は感じません。
フラフラしていると ”みんな可愛いアルティのお店” に入りたくてたまらなくなるので、あぶねぇあぶねぇ。
繁華街のランドマークたる「宮崎山形屋」は鹿児島の山形屋系の百貨店。
やはり経営状況は楽ではないらしく、私的整理による経営再建を模索している最中だって。
向かい側でしのぎを削った橘百貨店もドンキになっており、その他、かつては~だった系商業施設がいくつか営業しているのですが、それらが息を吹き返す気配は感じないな。
むしろ、近代的なショッピングモールでは代替できない、酒と女と尖ったヤングカルチャーみたいな部分がアンカーになって踏みとどまっている感じ。
再開発では、近年、駅舎のリニューアルや「アミュプラザみやざき」の開業があった、宮崎駅周辺が注目されているようです。ただ、これらも外県人から見ると、特に価値ある内容ではありませんね。
赤字路線ばっかなJR九州の東側ということで、そもそも電車があんまり来ない宮崎駅なのよ。 市民の足としては、むしろ宮崎交通のバスの方が親しまれているようだし、賑わいの核となるには弱いんじゃないかと思えます。
一応、繁華街のアーケードから駅へとつながる、広島通りやアミーロード沿いを整備しつつ、若いお店を呼び込むような動きもあるみたい。
NTTが、自分らのビルはきれいに直しながら裏手に掘っ建てたコンテナ商業施設「HAROW広島通」が、ちょうどオープンを迎えており、「ドーナツは午前中で売り切れらしいよ!」「えーー」とか地元の話題が騒然となっておりました。
日向国はもともと天領や小藩が多い土地で、廃藩置県の際に、それらをまとめた美々津と都城の両県が、さらに合併をするにあたって、互いの中間地点である県境に宮崎県庁が置かれた経緯らしいのよ。
基本的には新造都市なので、きれいで住みやすそうだけど、深みに欠ける部分はあるか。
そして、晩秋を感じさせぬ、植物たち。
川端康成お気にの大淀川の夕日。
さて、ここからは市内観光編です。
あいにく雨が続いたので、あんまり出かけられなかったんだけどな。
まずは地図に「JRA宮崎育成牧場」の文字が見えたので、トレセン学園で汗を流すウマ娘たちが見られるのかしらと、ぴょいぴょい歩いていったのよ。
生産地である北海道に比べ、馬の育成環境に優れている温暖な宮崎。1歳市場でJRAの育成馬として購買された馬が、こちらに入厩して調教を受けるんだって。
しかし、たどり着いてみたら馬も人も何もおらず・・・
つか、運動時間て早朝なんだな!
ちなみに一般公開エリアには、ちょっとした遊具やポニーの展示があるだけで、それらしい見学スポットが設置されてたりはしないようです。もっぱら、お父さんたちが週末に馬券を買いに来る施設だったのか。
高千穂から東征を始めたとされる初代神武天皇。
その孫が九州長官として赴任した際に、祖父の遺徳たたえて鎮祭したという由緒正しき「宮崎神宮」です。
森に囲まれた厳かな神社なのでありますが、参道に飲食やお土産街みたいなもんは形成されていないので、観光的にはちょい寂しいかもな。
「宮崎神宮」の北にあるのが「宮崎総合博物館」
メガロドン石灰岩! 地下式横穴墓!!
旅先ではまず博物館に寄っておくと、都市の歴史の成り立ちなどがわかって、街歩きがより楽しめるのよね。
神楽の舞台や神話の地である宮崎らしい展示もあるのですが、どちらかというと総花的で、観光施設というよりは地元キッズ向けの内容かな。
しかし、なんで高千穂なんていうハンバな位置に天孫降臨してしまったんだろうね?
屋外スペースには古民家や石棺なんかも移築されており、これで入館料無料なのは太っ腹すぎるわ。
しかし、他に誰もいないんだよな・・・
市街は平坦なので、レンタサイクルとかがあると、色々巡りやすいんだけど、駅の観光協会に数台しか用意が無いらしく、やはり、観光客の受け入れ体制は弱弱です。
ひたすらに階段を登ってたどり着いた「平和台公園」は、紀元2600年記念事業により造成された場所。
目前に突如、エグいくらいの存在感を放つ巨大な「八紘一宇の塔」が出現してビビりましたが、神武天皇の故郷らしい、そして、今日においては迂闊に触れづらい名所なのであります。
そして、横浜の皆さんに強くご紹介したいのが、園内にある謎のスポット
「はにわ園」!! なんじゃ、こりゃーーーーーーー!!!
なるほど、古墳の多い宮崎ですから、古代の風景を再現しているのかと思いきや、はにわって、ご当地では、それほど出土せず、出てももっと素朴な意匠のものらしいのね。
では、なんで踊ったり、おーい、ハニマル的な異邦のブツが多くならんでいるのかというと、宮崎には本部マサ氏という、とにかく、はにわ激LOVEな、はにわ制作に取り憑かれた女性がいたからなんだそうな。
どういう経緯だったのか、ほぼ、その方が造りまくった400体が公園の森の中に配置されることになり、かつての新婚旅行ブームの折にも非常に注目を集めたスポットだと書いてあります。
現在でも「本部はにわ製作所」という会社が残っており、空港とかで売っているお土産用のはにわ等を作っているんだけど、いつの間にか県のイメージキャラ的なものにまでなってしまったんだから、その愛、強すぎるのよ!
でも、こうして、自然の中で苔むした、はにわ群は、なかなかに風情があって、面白いんだよね。
学術的にはメチャクチャなんだろうけど、屋外アートとして、すごく魅力的だと思うんだけどなぁ。
帰宅後、これら写真を見せながら、「はにわ園、行こうずっ!」って、興奮気味に語ったところ、苦笑いの家族からは「う、う~ん・・・」という歯切れ悪き反応。
古墳ロマン、通じずか!
そして、皆さん、お気づきかもしれませんが、これら観光スポットに他のお客さんはほぼ写ってません。
結局、いねぇのよ、宮崎市街を観光するようなヒマ人。
やはり、レンタカーを借りて、日南海岸あたりをぶっ飛ばしたり、神話の地を訪ねたりが正しい宮崎観光のあり方なのかもしれませんね。
長くなったので、青島については別記事にしときます。
宮崎ブーゲンビリア空港。
元々、ブーゲンビリアは宮崎で育ちにくい花だったようですが、空港初代社長が山梨の桃源郷に感銘を受け、地域を花で染める運動に取り組んだのがきっかけで増え始めたんだって。
空港施設は充実しており、ことお土産は最も豊富にならんでいるので、無理して途中で買わずに、早めの空港入りがオススメです。
一応、JR駅が直結しているのだけど、案の定、本数が少なくて、上手いこと飛行機の時間に合わないし、宮交のリムジンバスの方が繁華街に直接アクセスできるから便利かもしれません。
上空をプーンと、やけに軽飛行機が飛んでるなと思っていたら、航空大学校があったんだね。
宮崎空港でも練習機が頻繁にタッチアンドゴーを繰り返しており、広い空を感じる街でもありました。
現地食については、いろいろオススメもいただき、一通りの課題はクリアできたかな。
実はさっぱり期待してなかった、チキン南蛮や釜揚げうどんがおいしくて、やっぱり現地で実食してこそだなと思ったり。
今回は全部で40件くらいの記事になると思いますが、1ヶ月半くらいをかけて、ぼちぼちレポしようと考えております。
お楽しみに~
コメント一覧
コメント欄では、はじめまして。
恰幅さんに『宮崎県をおススメしておきながら』
その後、何もタレコミを投稿してなかった
ブログのファンのひとりです。
投稿すべく。少しづつ、おススメの店を書き溜めていたのですが
大手ガイドブックに出てくるお店ばかりになってしまい
これでは全くお役にたてんな!と悩んでいたら
かなりの時が過ぎていました。申し訳ありません。
書きかけでは、ありますが・・・後ほど、送信いたします。
今年も、恰幅さんの記事を楽しみにしています!!