お上に共して遷都してきただけあって、関東では虎様が圧倒的バリューでありますが、こちらも京菓子界を代表する老舗大店です。
商品は地元百貨店などでも手に入りますし、わざわざ本店に立ち寄る機会は少ないのでしょうけど、眼の前で職人さんが美麗な上生菓子を仕立ててくれる茶室は超オススメなんだよな。

そして、本店限定販売のお菓子ですよ!
これがまた、メジャー商品とは趣の異なるカッコイイ仕立てで、当店のなみなみならぬ地力を感じさせるのです。
今回、憧れの観世井がなんと通販で買えてしまうというビッグニュース!
しかも、誕生70周年記念で、なんと紅白になっているつーじゃないか!!
案の定、速攻で売り切れてたけど、東夷のブタ鼻はいち早く嗅ぎつけて確保したのですよ。もっと褒めてほしいな!

じゃーーーん!
かつて、鶴屋吉信本店の近くには、能楽観世家のお屋敷があったらしく、その井戸へ龍が降りて、以降、水面の波紋が耐えないようになったという伝説があるんだって。そこから観世水という文様の元にもなって、着物や工芸品など様々に使われているようです。
卵大の平たいお菓子なんだけど、しっかり固めた粒あんこの表面へうっすら衣をつけて、ぐるぐるの渦模様を焼き付けたもの。
きんつばというか、「かぎや」の常盤木のような感じで、ほんのり焼き目の香ばしさをまといつつ、あんこのお味も楽しめますよ。
やはり1枚でバッチリ満足させる食べごたえが茶道のお菓子らしく、あっさり仕上げた白あんもおいしいけど、どっしり食える小豆が定番たる風格だよな。
期待を裏切らぬおいしさでした。

他にも秋のお菓子をちょいちょいつまんでみました。

栗粒入りの京観世。
こちらもやはり観世家の井戸由来となる意匠です。
某雲龍にもそっくりなお菓子なんだけど、後追いではなく、創案はこっちのほうが古いんじゃないかっつー話もありますね。
あんこを村雨で巻き上げた構造で、上から見るとやや小ぶりなんだけど、しっかり厚みがあるから食べ応えは満点。
お味もしっかりしつつ、途中で持て余すことのない上品な塩梅がさすがなのよ。

あんこを米粉入りのもっちり皮で包む、つばらつばらは比較的新しい商品。

やっぱり、季節限定の栗餡のものにしました。
白あんベースの中に栗粒が入り、スイートの中にもちゃんと栗の風味が感じられます。
恰幅さん,栗が大好きなもんで!


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