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横浜中華街の「徳記」で特製豚足麺

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関帝廟通りの路地にある広東料理店。

先ごろ経営者が変わってリニューアルオープンしたので、覗いてきましたよ。

接客の悪さは中華街あるあるの代表格。

扱いが少々悪くてもお客はやってくる観光地でありますし、そもそも店員は十分な訓練を受けていない本国人が多く、我々との間に如何ともし難い文化や言葉の壁が立ちふさがっているのです。

そういう構造的な問題の他に、家族経営の徒花というか、店を仕切るババアが怖い系で知られるお店がいくつかあります。優れた調理人の親族や配偶者に、優れたサービス精神が宿るとは限らない点、日本の飲食店でも一緒なのですが、怖いのは決まってババアだし、かの国の女性は特に迫力がありますね。

罪なきお客さんが、変なプレッシャーの下で食事を強いられるとなると、これもクソの類と言えます。ただ、お客もいろいろで、逆にそういう名物女将の強権を妙に好む人々もおり、いびつな対応をつけあがらせるのです。お店におもねり、懐に入ることで得られる特別扱いによだれを垂らす、ろくでもない連中です。

さておき、現在では希少となった鬼ババァの君臨するお店は、お料理についても時流に迎合しない意固地があって、結果として、古き日の中華街の味を守る貴重な存在となる側面がありました。行きたくはないけど、たまに食べたくなるような複雑な心情ね。

豚足そばで知られた「徳記」もそんなお店の一つだったわけですが、先ごろ、店主他が引退して、新しい体制に引き継がれたようです。

表に写真看板を出した他は外観を大きく変えていません。ただ、扉を入るとビックリよ。レトロな味のあった店内は綺麗サッパリ、月次な中華店のそれに変貌しておりました。メニューも豚足麺以外は特に受け継がれた風はなく、品数少なめで比較的手頃な観光店の構成になっておりましたね。

つかさ、看板に大きく70年の歴史がアピールされてるけどさ、それは今まさに途切れた瞬間じゃねーかというツッコミだよな!! こういうとこよ! 中華街の商売が信用出来ないのは!

とりあえず、あの豚足麺がどうなったのかが気になりますよね。

結論としては・・・案の定、別物になっておりました。

同じなのは別盛りで出てくる体裁くらいかな。独特な平打ち麺と澄んだスープが面白かったベースのそばも、単なる安いラーメンに変わっておりましたし、トロトロの豚足もいまいちキレがなく、ダレた印象でしたね。一番うまかったのザーサイか。

まぁ、この場合、どっちもどっちなんだよね。これまでの頑なは、いったいどこに消えてしまったのか。肝心な味を伝えず、暖簾だけを売っぱらっちゃう方もたいがいだし、バレないと思って買っちゃう方もテキトーなんだよ。

こうして、また一つの中華街名物が消えましたという哀しいお知らせでした。

しばらくは変化を知らないお客さん達が迷い込んでくるのだと思うけどさ、このままでは、そうそう長くは続かないんじゃないかな。

コメント一覧

  1. あやもえ より:

    地元民出ないので、とても参考になりました、ありがとうございます!

    • 管理人 より:

      >あやもえさん
      中華街には、古くからの屋号や名物料理の名前だけはそのままに、中身がまるっと変わっちゃってるお店がいくつかあるので、非常に紛らわしいんですよね。

  2. みうけん より:

    そうそう。
    台湾料理の秀味園とかね。席が満席だと、おばちゃんが居間の布団たたんでくれました。
    座卓には食いかけのシャケがあったりして。

    • 管理人 より:

      >みうけんさん
      秀味園は完全に生活の場だったのが渋かったですね。
      山東とかも台所のような雰囲気でした。

  3. りぷとん より:

    徳記の近くの某有名な店で話したのですがもう昔の味を昔の値段で出していたら続けられないとのこと。昔からある老舗はまだ横浜の港湾の柄が悪く中華街が労働者のおなかをいっぱいにしてあげたいという気持ちで安くたくさんの量を食べてもらいたいとやってきたけどいまはもういっぱい食べないし安い店は周りに増えたし。徳記ももう場所もあれだし変わらないと続けられないのだろうと思いました。私も久しぶりに行ったらきれいになって驚きました。時代は変わりますね・・・

    • 管理人 より:

      >りぷとんさん
      自分がお客として、以前のように繁く通うことも無くなったのに、お店にだけ変わるなっていうのは、無茶な話なんでしょうね。それぞれが最善を選ぶ中で、良き味が残ってくれるといいですね。

  4. 横浜出身都内在住 より:

    こんにちは。貴重なレポートありがとうございます。軽快なテキストで楽しく読ませていただきました。
    徳記は大好きなお店でした。このお店の鬼ババァは(笑)、一見、常連、老若男女分け隔てなく等しく厳しくて私は好きでした。若い女がこの手の店に行くと軽んじられることが多いのですが、そういうことはありませんでしたし、よく食べたねえとか話しかけてくれたり、飲みすぎを心配してくださったこともあります。
    暖簾を売っぱらってズルい商売に加担されたのは残念な気もしますが、そのしたたかさが「らしい」なあと思ったり笑。同じ場所で再開であれば食べログの点数や口コミも引き継げるようですし、騙されている人も多いですが、それはそれで一つの中華街の面白さなのかなあとか思いました。

    私も改装後に再訪しましたが、本当になんの感動もない味になってしまって残念です。豚足は本当に、基礎工事をせずに装飾だけしたような、しょーもない一品になってしまったと思いました……。

    • 管理人 より:

      >横浜出身都内在住さん
      徳記の婆さんについては、仰るように意外な気遣いを見せることもあって、悪い人ではないんだろうなという印象でしたね。婆なりに自らの飲食業に筋を通していたのだろうとも思います。でも、愛想はなくとも、あたりさわりなく接客すればいいだけの話じゃん。無辜なお客さんに対して流儀という名の冷水を浴びせる課程は何ら必要が無く、やっぱ不器用で、クセのあるお店だったんだなと思います。海員閣もそうだけど、鬼婆店は思い出深く、かえって懐かしくもありますね。

  5. Nuu より:

    ってことは水も出してくれるようになったんだな(^◯^)

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