うどんが宮崎のご当地グルメであることを、皆さんはご存知でしたか?
そもそも、私のように、ご当地について何も知らない間も少なからずいるんじゃなかろうか?
九州各地には特徴的な麺料理が多いので、どうしても、その影に隠れがちではありますが、北から南まで、うどんが好かれている印象がありますね。
こと、ご当地においてはラーメン以上にうどん文化が根付いているようで、特に飲みの〆の定番にもなっているという、釜揚げうどんがおいしかったのです。
まずは宮崎釜揚げうどんの元祖という「重乃井」にやってきました。
創業60余年とのことで、それほど古い文化ではなく、初代女将の故郷であった香川のうどんをベースに、独自のスタイルを磨いていったようですね。
大淀川沿いに新しいマンションが建っていく中で、周囲の町並みも駐車場化していたりして、往時の環境はよくわからないのですが、官公庁街の外れでもあるので、元々は陽の当たる時間の需要から始まったのかもしれません。
店舗は新しくなっており、開店時間ちょい過ぎくらいに訪れたところ、すでに満席に近い賑いになっていたのには驚きましたよ。だって、近隣には誰ひとり歩いてなかったからさ!
壁には有名人との記念写真がびっしり飾られ、私も松岡修造の暑苦しき笑顔と無言で対峙しながら、うどんの茹で上がりを待ちました。
メニューは基本的に釜揚げうどんのみ。
並か大かを選んだ後、一から麺を茹でる間に、入口のケースにならぶ、いなり寿司やちらし寿司なぞをつまみながら待つ式なのよ。
魚寿司は、うどんと同様に四国から渡ってきた姿寿司をルーツとするものらしく、南国らしい甘いシャリに良い塩梅のしめ鯖が乗っかっておりました。
宮崎の釜揚げうどんは、湯溜めにした細うどんを、温かい汁につけていただくスタイルです。
自家製麺という当店のうどんは、しなやかで優しい口当たりが特徴。やや柔めの茹で加減ではありますが、噛んでいるとちょいクニッとする食感も良いね。
それ以上につけ汁が旨い!
豊かな節の香り。ほんのり甘くて、キレのあるかえし。
こちらのお店では天ぷらを出してないのよ。汁にほどよきコクを加える微粒な揚げ玉は、それ専用に揚げられているようで、シンプルながらも、精緻に組み上がったうどんだなと感じます。
最後は丼に残った湯へつけ汁を投入しつつ、そば湯的にいただくのも合理的。
いやいや、想像していたよか、ずっとおいしかったわよ。このお店から食べ歩きを始めてよかったな。
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