日本各地の観光地で狂乱のインバウンド祭りが報告されております。
広島ではあの原爆資料館がディズニーなみに大行列を作っていて、さすがにダークなツーリズムがオーバーが過ぎるんじゃないか思うのですが、同じく被爆地である長崎では、あんまり異国人にすれ違わないような・・・ そもそも観光自体がだいぶガラガラな印象なんだよね。

さて、都会で疲れた鴎は「グラバー園」へと向かいます。
夢の値段を数えて、さみしくなっている私は関節の脆いデブゆえ、石畳と教会の屋根をすり抜けて丘に上るような愚かなルートは選びませんよ!
路面電車を終点まで粘っりまっしぐらに「グラバースカイロード」を目指します。
下手すると天空に飛び出しかねん、ロマンあふるる命名がなされたこの施設ですが、ご覧のように、めっちゃ普通な住宅街に紛れているのが面白いのよね。

その実体は、坂の街らしい、誰でも使える公共のエレベーター施設なんだよね。
斜行と垂直の2機を乗り継ぎ、「グラバー園」のてっぺんにあたる第2ゲート付近まで運んでくれるから、大変楽ちんなのです。

んで、降りたら、ピクセルがギュウ詰まったこの風景。
長崎市民がやたら甘いものを欲しがるのは、日々の登山で体力を消耗するからなんじゃねーかって思ったり。

乗降口近くには、かつてグラバーの弟などが住んだという「南山手乙27番館」がレストハウスとして無料公開されております。


ここは市民ボランティアの方々がきれいに維持管理されている様子。
景色を眺めながらの一休みも気持ち良きものですな。

そして、「グラバー園」








やはり幕末から明治にかけて建築された洋館を、移設・保存した洋式公園です。
ここは何回か来ているから、スルーしてもいいかなって思ってたんですけどね。

さすが長崎市街では一番の名所だけあって、他所とは違う賑やかな雰囲気じゃん。
といっても、混雑するほどではありませんが、やっと観光地に来たなって実感が湧きました。

なんといっても、眺望が素晴らしいのよね!

さっきは来なくてもいいやなんて言いましたけど、やはり、この高台から見晴らす港の景色を拝まずして、長崎旅を終えるわけにはいかんよなって、反省します。

こっちは女神大橋の方向よ。
その袂の”女神”という旧地名は、神功皇后が名付けたんだという説もあるんだそうな。

対岸の三菱重工では、新造の矢矧が引き渡しの準備中だったのかな。
現在、防衛関連で株価はバクアゲしているようだけど、造船業はなんとか頑張ってほしいんだよな。

ちょうど、客船が入港しているタイミングだったこともあり、上陸ツアーの外国人らも多く訪れておりました。

広島は東京↔関西↔福岡へと新幹線移動する観光ルート上にありますので、来訪規模は比べるべくもありませんが、長崎は港町らしい形で外国人観光客を受け入れている街なのかもしれませんね。
あるいは、こっちじゃ教会を吹き飛ばしたからバツが悪いのか。





旧グラバー住宅は、スコットランド出身の貿易商トーマス・グラバーの旧邸宅であり、日本に現存する最古の木造洋風建築です。
やっぱ、良いとこに住んでたんだなぁ。
眼下に百千船の長崎港を眺めながら、悪い酒をくゆらせていたのでしょうね!

園内の「長崎伝統芸能館」も必見の施設です。




ご土地のプライドと心意気である「長崎くんち」で使われる豪華な傘鉾と曳山が展示されている他、大きなスクリーンで、すげー楽しそうなお祭りの様子を見ることができますよ。


第一ゲートへとつながるグラバー坂も、修学旅行生が似合う風景。
長崎駅以外にはめぼしいお土産屋さんも無い街なので、こういうベタな観光街らしい場所って、実は大事なのかなって思います。
さだ氏によると、心の傷も坂道づたいに、晴れた海へと流れていくらしいし。

一方、国宝である大浦天主堂は華麗にスルー。
中は撮影禁止だし、そもそもオレっちキリスト教じゃね―しと、冷静にさせてくれるチケット価格な。

さて、優しき黄昏が訪れましたので、稲佐山に向かいましょうか。
正面に見えている山のてっぺんに展望台があり、夜景スポットとして大変有名です。

いや、行きも帰りもロープウェイがめっちゃ混みでさ!!
これまで、どの観光スポットもガラ空きだったので、一体どうしちゃったんだと驚いたのですが、その多くが外国人旅行者だったのよ。
お前ら、昼間はいったいどこに消えてるんだ!?

山頂ではテレビ塔がかっこよくライトアップされております。
なにか、電撃的なものを集めて、洋上の敵艦隊に撃ち出してほしいので、三菱によろしくメカドックって感じです。

宝石箱に身を投げたような夜景に蕩けるカップルども。
私もグイグイと割り込みつつ、撮影を敢行いたします。

大空に深く横たわる川が、この街に注ぎ込んで光る海になるんだって。

生憎、小雨がぱらつく天候で、だいぶモヤもかかっていたのですが、どことなくスクウェア・エニックスみも漂う幻想的な風景でもありましたね。
ただ、10分ほどの見学のために、往復で3時間ぐらいかかってしまって大変だったな。
私はホテルからロープウェイ駅までの循環バスを予約してたのだけど、麓駅への公共アクセスが弱めなので、現地で帰る手段が無く途方に暮れている外国人もけっこう目にしましたよ。

夜景の中にハートを探すってやつ。
今回はここまでですー
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