「廣榮堂本店」に併設された喫茶室。
ここだけのために、岡電に乗ってやってくる価値のあるお店です。
お隣で倍ほど立派な構えだった「廣榮堂武田」が抜け殻になり、近年、かっこよくリニューアルを果たした当店が生き残った形。
新店は蔵の付いた旧来の外観を継承しつつ、敷地を拡張。売り場の奥に喫茶室を設けました。
店内は和のデザイナーズ環境で、ゆったりとくつろげますが、席数はそれほど多くないので、混み合ってくると大変ですよ。近隣に時間調整できる観光スポットもないので、予約が無難です。
突き出しにほうじ茶ときびだんご。
これはこだわりの、むかし吉備団子の方でしょうね。
焼き立ての調布がお目当てだったのです!
香ばしく焼かれたカステラ皮はクレープくらいの極薄で、端っこサックリ。
中には温かな柔らかな求肥がたっぷり包まれておるのですが、お味のバランス的にも立派な主役になっており、なんで皮がついてるんだよという、首かしげ感は全くありません。おいしいです。
皮はすぐにモッチリ変化しますし、お土産用のパック品と別物みたいに感じます。やはり作りたてならでは醍醐味で、ここへ来て、初めて調布が愛される理由を理解できました。
ちなみに倉敷美観地区の雄鶏店にも簡易な喫茶が併設され、焼き立ての調布がいただけるようです。倍の長さの焼き立てロング調布も食べ歩き用に販売されていたので、そっちで攻めてもいいかもね。
ホットケーキ風どら焼きもサイコーだな!!
調布製造などで小麦粉生地のノウハウがありますからね。ふんわり香ばしく焼けているのだけど、其れだけにとどまらず、蒜山ジャージー牛のバターがデッケェし、市内契約農家で採取したというはちみつがたっぷりと掛かって、周囲には粗塩パラリ。
これは、享楽が過ぎる! 悪い文明よ!!
ちなみに、はちみつはパクチー畑のものだそうで、クセがあるのかなと心配したけど、全然スッキリとした風味でした。
色々食べたい向きには、ミニアフタヌーンティー。
ミニ抹茶クリームあんみつ、焼き立て調布、琥珀糖の他、気まぐれ羊羹と生菓子が付きます。これは涼暮月の内容で、抹茶の水ようかんとムッチリな麩まんじゅうでした。
当店では上生菓子も姿の良いものを作っており、生菓子も良いお味。
ベタなきびだんごを主力に据えつつも、お菓子屋さんとして、中身の充実を怠っていないなと感じます。単に売り方の優劣だけで、今の姿があるわけではないのでしょう。
重いから諦めたんだけど、白小豆や黒豆を使った昔作りの羊羹も買ってくればよかったなぁ。
抹茶もおいしくたっぷり点ててくれました。
コーヒーは味比べをしてみたけど、自家焙煎というひねもすコーヒーでなくとも十分旨いです。
その他、ひねもす御膳というお食事が、岡山旅のランチに最適で、次回は狙ってみたいのです。これも数量限定で、近所の奥様連中がガッチリ陣取ってたので、予約必須かな。
決して大人数を相手にするわけではない、道楽営業でもあるのだけど、中身は高品質で流石と言わざるをえない喫茶でした。
オススメです!
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