興行と歓楽の街として大変に栄えたという新開地。
現在では賭場も劇場もだいぶ数を減らして、くたびれたジジイどもを集めている誘虫灯がなんなのかはよく分からんのだけど、昼から営業している酒場や立ち食いうどんがやたら多くて、往時の残り香は漂います。
喫茶店も少なからず営業しており、いずれも充実してそうだから、どこで一服するか迷っちゃうんだよな。

今回は有名な豚まん屋さんのお隣にある”コーヒの店”に立ち寄りました。
近年の懐古ブームをうけ、若人たちも注目する純喫茶として紹介されていたのですよ。
正直、あのお店がまさかとびっくりしたのだけど、こちらを一見して、デキるお店だと見抜くのは、さすがに高難度かもしれませんね。
実際、観光客はやや近寄りづらいというか、近所のなじみがフラリやってきては、自動ドアが閉まるより早く「ホット」とコールして、ざっと新聞読み、さっと帰っていくようなローカル店なのです。
諸々削ぎ落としたような昭和モダン調の店内には、非電子の喫煙者が卸売できるほど集っておりました。

いつから値上げを忘れちゃったのだろうかという安価。
これなら毎日と言わず、日に数回コーヒーを飲みに来てもいいくらいだよな。
”コーヒ”はライトでやや蒸れたような風味。
ホッケーは古風で貧しき味わいながら、ふんわかで色良き焼き上がりは見事です。
オススメ: ★★
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