誰もが気軽に飲食レビューを投稿する現代。
食べログの登録レビュアー数だけでも2200万人だっつーから驚きですよね。
我々がホームページビルダーでしょっぼい個人HPをポチポチ自作していた頃なんて、yahooのカテゴリーに登録されるページもごくごくわずかだったし、掲載情報だって、決して豊富とはいえませんでした。でも、なぜかすごく楽しかったことを覚えております。
当時、広島発の「アワレみ隊」というサイトが印象に残っております。すっかり近代化されたようですが、現在も発信が続いていたんだなぁ。
「肉のますゐ」全メニュー制覇という夢の企画を、遠く神奈川から拝見しながら、いつか、私も激安なサービスとんかつや、ますゐソースを味わいてぇ! と乞い願っておりました。
そして、この度、満を持しての聖地巡礼と相成って、感無量ですよ! ワーー、パチパチ!!
広島の一等地である八丁堀交差点のすぐ裏手。古いながらも自社ビルを構えるお肉屋さんです。
店頭には営業中の文字がありますが、正面のお肉屋さんは明かりも消えて、とっつきづらい様相だな。精肉部門に関しては、卸主体なのか、すでにボチボチ営業かもしれませんね。
お目当ての食堂は、脇の方に入口がありました。
2階にはお座敷席もあるようですが、1階テーブル席にも小上がりが付いて、立派なキャパがありますね。この日はお昼を外した時間帯でしたが、爺さん、オッサン、若人と、ほぼほぼ男まみれな客層で賑わっており、むしろ飲食商売の方が主力なのかもしれません。
タイル敷の使い込まれた店内、くたびれた照明、へらへらに伸された座布団。お店のお母さんたちは常連の老客にも介護者の如き優しき対応で、長らく愛されているお店らしい、味わい深き光景です。
この時点で、ライス付きのサービスとんかつが430円という信じがたきお値段ですよ。
でも、私はもう、財布の中身に気を使われるほど若くはないので、特別なランチをはりこみますぜ。
それもまた、カツレツ、ハンバーグ、オムレツ、プレスハム、ポテサラ、キャベツ、もちろんライスもついてなお、英世を出してお釣りが来てしまう低価格なんだけどさ!
そして、チョッパヤで出てくるんだな。
ちなみにご飯は半分オーダーなのに、全く減ってないってことは、通常が盛々なサービスなのでしょう。
これが噂のますゐソースか!!
なんだか得体のしれないような、モッタリとほの甘いソースなのですよ。
我々関東の民からすると、フライに端からソースをかけられるなんてのは禁忌でしかないわけですが、西日本の古い洋食店ではまま見られるスタイルよね。
ソース自体も、今日のものに比べると一歩二歩、物足りないようなマイルドテイストで、きっと古の折り目正しき西欧料理の系譜なんだろうなと想像するのです。旨いかどうかは別として。
極限まで叩き伸ばした紙カツレツも、考えようによっちゃシュニッツェルですし、昭和のスーパーで湯煎パックが売られてそうなハンバーグも謎味だな。
ただ、オムレツだけがトロトロ上々なのが、逆に異物感を醸している、文化的盛り合わせです。
広島のソウルフードを確かにいただきました。
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