広島にモーニングサービス発祥をうたうお店がありました。
鷹野橋商店街にある古い喫茶店「ルーエぶらじる」です。
こちらは銀座「カフェーパウリスタ」に親しんだ店主が帰郷して始めたお店で、戦後の1955年頃からコーヒーとパン、ゆで卵のセットを通常の半額で提供したことが始まりなんだって。
いわゆるモーニングを朝食のお得値提供と定義するのならば、そのアイデアは各地で試みられてもおかしくはなさそうですし、広島から全国の伝播していった道筋も見えにくことから、個人的にはどうなのかなと思うのです。戦前の飲食文化も、我々の思っている以上に発達してたみたいだからね。
ただ、現時点で古い記録が残っている古参店の一つであることは間違いないようです。
ちなみに、今回の旅で、広島市街地での朝食処もリサーチもしましたが、わりと候補を見つけやすかったのよね。
お外で朝食をとる文化というのは単純に都市の規模に比例するわけではなく、我が横浜のように、お茶処もなければ、朝からやってるはずもない砂漠から見ると、ご当地にはモーニング文化が濃いめに根付いているのは嘘ではないと思うのです。その礎にもなったお店なのでしょう。
この商店街は、大正時代に設置された公設市場の名残りだそうで、かつては学生街としても大変賑わっていたという背景があります。
現在は再開発され、男女共同参画センターがどーんと設置されてたり、キレイなアーケードが整備されておりましたよ。
当店も、なかなか味のある立派なビルで営業しておりました。渋みに染まった店内は、天井も高く、中庭方向から朝の陽も入る穏やかな雰囲気です。
客層は概ね地元の方がパラリパラリって感じだったのだけど、9時を過ぎるころから、それっぽい荷物を引いたお姉さんなども訪れるようになり、意外に観光需要もありそうですね。
店頭には自家製パンの販売コーナーも併設して、ベーカリーカフェな体裁です。
どうせなら、当時のスタイルを味わってくればいいのにね。結局、食欲が勝って、ボリュームあるサンドイッチのセットにしちゃったわ。
サンドはとりどり切ってくれて楽しい内容なのだけど、だいぶヒエヒエな状態ですな。素朴なパンは気泡も大きめで、ほんとは生で食うよか、トーストした方がざっくりおいしく食えるのかもしれません。
端っこのはカツサンドかと思ったら、練り物のパン粉揚げで、ご当地っぽかったわ。
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