広島土産といえば、もみじ饅頭!
島の紅葉を象った餡入りのカステラ饅頭で、明治後期に産まれたとされる宮島の名物です。
その後、全国的な知名度を得たのは、TVで流されまくったB&Bの例のネタが大きく影響しているでしょうし、新幹線の開通や大量焼成機が普及した高度経済成長期以降のことでしょうね。
もみじ饅頭の最大手は「にしき堂」です。
こちらは宮島ではなく、広島駅の北口に立派な本社を構えており、後発メーカーながらも、一観光地のお土産から、県を代表する名物に駆け上がったブームを、上手に捉えた経営巧者だったんだろうな。
イヌサルキジも呆れるほど、きびだんごが転がる岡山駅のお土産売り場に対し、広島駅はまさに、もみじ饅頭まっかっかな様相でしたわ。そして、各社勢ぞろいするお土産街に、2ブースも出店しているのは、このお店だけなので、格の違いを漂わせます。
ちなみに西部警察で爆破されたのも、にしき堂号ですからね!
大成功した広島サミットは、お土産売り場にも影響しておりました。
サミット会場で賓客に振る舞われたり、手土産として採用された商品が積極アピールされて、実際、よく売れている様子です。
しばらくの間は不便を強いられたでしょうけど、市内の経済効果もかなりあったんじゃないかな。
「にしき堂」の商品も首脳陣へのお茶菓子として提供されたようで、このようなセレクト品が販売されておりました。
しかし、よく見ると、ここに通常のもみじ饅頭は選ばれてないんだよね。
昭和がすっかり遠くなり、かつてのように大量生産品がバカスカ売れた時代とは状況が変わってきております。もみじ饅頭は製造設備も共通しておるようで、元々、大きな差が産まれにくい商品。
昨今では各メーカーとも、皮にもち粉を使ったもっちり食感の生もみじや、チーズやらチョコやらを詰めた創作もみじ饅頭で、新たな一手を模索しているようですが、逆にその程度の工夫が限界ともいえますよ。
悪夢のようにモッサリしている糖質50%オフ以外は、カステラ皮も風味良く、新たな具とも違和感なくなじんで、どれも無難にイケるお味に仕上がってるんだけどな。一番旨いあんこのを食っても「まぁこんなもんか」って程度なのに、代わり種を全種制覇したい気になるわけないじゃんか!
この先、もみじ饅頭そのものが図抜けておいしくなる進化は無さそうだなという部分で、そこはかとなき寂しさも漂います。
新・平家物語は紅白のあんこを源平に見立て、カステラ皮で巻き上げたお菓子。
これもありがちなスタイルだし、西部警察放映当時からの次世代商品なので、もはや新でもなんでもないのです。ただ、バランスが均一な分、お味だけなら、もみじよか旨いのかもしれんね。
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