日本で最も有名なカステラブランドである”文明堂”
おなじみ「カステラ1番 電話は2番♪」のCMは共同で出していたので、一つの会社なんだと思っていた方も少なくないと思いますが、東京や横浜をはじめ、各地に出した支店はそれぞれ別会社として、独自の製造や販売を行っております。

元締めはもちろん長崎の「文明堂総本店」よ。
雲仙生まれの中川安五郎は諫早の菓子職人に師事した後、明治33年に長崎の丸山町に文明堂を創業しました。
江戸時代からの老舗も残る中では、比較的新参かもしれませんが、氏はPRの才に長けた人物だったようで、カステラというお菓子を全国区に押し上げた功労者といえます。

大波止の交差点にある本店は戦後に構えたもので、近年シックにリニューアルされたようですね。
路面電車の窓から歴史ある文明堂の看板が見えると、ああ長崎に来たなぁという感じにもなりますよ。
ただ、本店詣が観光必須かというと、イートインも接待もないし、商品は他の販売店舗とほぼ変わらんから、わざわざ途中下車して寄るほどではないかもね。

せっかく来たので、ちょいリッチな、特選カステラ文明堂という商品を購入しました。
和三盆、黒糖、お濃茶の3種類がラインナップ。
通常の3/4ほどの細身で、高級感の演出とはいえ、だいぶ過剰包装がなされております。

レモンのような鮮やかな黄色。
きめ細やかで柔らかな口溶けと品の良い甘み。
国産素材にこだわり、通常よりも卵黄を増やして焼いているので、匠職人の技術が必要とのこと。
たしかに、こりゃ上等品ですね。

その昔、明国から渡来したという寒菊というお菓子。
ガリッと硬い凍み餅を生姜風味の蜜に浸して、幾重にも乾燥させたものなんだな。
この寒菊は長崎の伝統菓の一つであったようですが、手間もかかるので、現在も製造を続けているのは「岩永梅寿軒」を含め2店しか残っていないようです。
文明堂では、一粒大の小さなものを、さざれ菊という名前で販売しておりましたが、菓子屋として頑張ってるなという横顔でもあります。

こちらもガリッとソリッドに焼かれた松葉。
甘香ばしい和クッキーで、私は大好きよ。

流通網の発達した現在においては、この「文明堂総本店」が全国展開しても良いんじゃないかなと思ったりもするのですが、一応、文明堂系列の棲み分けは残っているようで、当社は九州から広島あたりまでが勢力圏になっているようです。
広島で大人気というレモンケーキは小ぶりな竿型。
カステラと違ってホロホロ崩れるようなどっしり焼きなんだけど、油重たくないし、皮も入ったレモンの香りがとってもいいのです。
これもおいしいわ~
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