思案橋横丁にある長崎郷土料理店。
明治29年創業という老舗で、往年の観光ガイドブックにも必ず載っていたお店ですよね。
こちらの店舗はお姉さん、めがね橋の方は弟さんがやっているのかな。

旅先の伝統料理を食べ尽くしたい気持ちはあるのです。
長崎だったら卓袱とかね!
でも、こんな下戸じゃ酒場も入りづらいし、ツレ無しアシ無しの旅だとなかなか難しいジャンルでもあるんだよな。結局、大衆食と甘味という、いつものパターンになってしまうのですよ。
さて、こちらは婆さん母さんで切り盛りしているこじんまりとしたお店で、しっとりとした小料理屋さんの雰囲気です。歓楽街に立地するため、陽の当たる時間は、あまり混み合わず利用できそうです。

お昼はとっつきやすい定食形式で郷土料理をいただけるのよ!
今回はご当地の郷土料理 ”牛かん” をメインにした定食をいただきました。
合いびき肉を使った、ふわふわのつみれ。
かつて肉食に抵抗があった時代に、ひき肉へ魚のすり身を混ぜて、かまぼこ風に仕上げたのがルーツとのことで、”牛蒲鉾”→”牛かん”になったんだそうです。
こちらではポトフの如き澄んだ出汁で煮てありますが、ハンバーグ風に焼いたり、さつま揚げっぽく揚げたりする場合もあるようですね。
うん、おいしいな。
柔らかく、肉臭みが抜けた品よき風味で、ほの甘い汁ともすごく合うんだわ。

店の名物は、おじや!
若い頃は、おじやかぁ・・・・・・と、全く食指が動きませんでしたが、これもまた、すごくおいしいな。
上にかかっているのはすりゴマとネギ。たっぷりのお出汁でトロトロに炊かれたもので、微細に撹拌された玉子の品良き風味も加わって、食べ歩きに疲れた胃に染みわたる優しきお味。
ヒラメの刺身もおいしいし、煮物にはクジラの切畝が見えるし、魚入りの酢の物、味噌汁含め、どれもほんのり甘いのが長崎のお味だよな。
お料理はどれも丁寧に調理されているので、おじやだけすするのはもったいないお店だわ。
ちなみにお昼に通うなら、メインの魚を選べる一二三定食もよさそうよ。
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