カステラのせいで、舶来菓子の街というイメージがある長崎です。
しかし、カステラはもっぱら贈答用となり、洋菓子店も決して多くはないため、日常の菓子となると、むしろ餅饅頭店が意外に目に付くんだよな。
長崎の台所、築町商店街にある「亀屋饅頭」もその一つ。
店舗はすっかりきれいになっておりますが、昔ながらの製法を続けているお菓子屋さんのようですね。
店頭ではお姉さんが優しく対応してくれました。
長崎らしい桃饅頭は、甘酒饅頭と同じ皮で作っているようです。
この甘酒饅頭を作っている時点で、もう8割がた間違いないって思っちゃう。
かじれば、ほわんと麹の香。中に詰まった、すっきりなこしあんもおいしいな。
その上のやぶれ饅頭には白あんが入ります。
言うほど破れてはいないけど、皮は極薄で、まんじゅうというか、ほぼあんこという比率が贅沢よ。
これも旨い。良いお店だわ。
かんころ餅は、五島列島を中心に親しまれている伝統食品です。
芋が主食だった彼の地で、餅をかさ増ししつつ、保存性を高める目的で生み出されたものなんだって。
この長崎では異色となる淡い甘み。口に広がるほんのりな芋の風味に、素朴な魅力がありますね。
柔らかいうちはそのままちぎってムッチリと。また、バターで焼いても、カリッとおいしくいただけますよ。
長崎ちまきは、唐灰汁ちまきのこと。
かんころ餅と同様に、棒状のものが餅饅頭店の店頭にズラリ並んでおり、ありゃ一体なんなんだと気になっていたんだよね。
晒の小袋に詰めたもち米を、ちゃんぽん麺にも使われる唐灰汁入りの湯で茹でたもの。
おそらくは横浜中華街の「聚楽」が期間限定で売り出す”かんすいちまき”と同ルーツなんだろうな。
当店の商品はパックされているので、お土産に遠路持ち帰っても、もっちり柔らかな食感が保持されているのがいいところ。。
おそるおそる、かじってみると、独特な風味なのよ。
わずかな苦みと、ゆで卵というか硫黄のような香りがほんのりあって、それがコクにもつながる感じかな。
ちまき自体に甘味等はついてないので、自分できなこ砂糖などをふりかけていただきます。
私は黒蜜をかけて食ったりもしたけど、おすすめされてたわさび醤油も、結局は米なので、違和感はありません。ただ、本来の風味をなるべく殺していく食い方になるのかな。
正直、幼き頃より慣れた者じゃないと好んで食おうとは思わんもので、障壁を感じる外見人も多いんじゃないかな。すなわち、これこそが本当の長崎郷土料理ということなのかもね。
唐灰汁はソーダ饅頭にも使われており、ご当地に根付いた食材といえそうです。
コメント一覧