長者町「太源」のラーメン、茶碗カレー

「かに道楽」にへばりついた、ラーメン&カレーのお店。

こちらも古いお店ですよね。

その昔、この界隈は大手の映画館が建ち並ぶ、心ときめく場所でした。

今は地下の小部屋で「ハマのドン」を流して悦に入るようなミニシアターしか残ってませんし、その後にやりたい放題だったパチンカスすら、だいぶ元気がなくなってきた様子。チャイナたちも普段は何を楽しみに暮らしているのか、よく分からん伊勢佐木町です。

あたりが暗くなってくると、歓楽街のスタッフやその行き帰りに立ち寄る男性客等々、わりと濃厚な客層をひっくるめて受け止めてきた、小さなラーメン屋。

昼前から明け方までの営業してますよ。

イチオシはカレーラーメンだと言う人もいますが、結局どっちの良さも薄まるだけのような気がするので、個人的にはそれぞれを別々に食べるのが推奨です。

カレーはややユルめで食べやすく、分かりやすいコクとピリ辛のごくごくレギュラーな仕上がり。　

なお、この茶碗カレーはランチにお得値で追加可能です。

小さなお店なので回転が命。戸をくぐった時点で、店の兄貴はもう麺を握ってますからね、ラーメンもスピーディーに提供されますよ。

細いストレート麺は食感を残し、ちょうどよく茹でてくれました。

白濁したスープは豚骨鶏ガラ、あごだしなんかが入ってるって書いてる人がいるな。

やはり、現代のラーメンに比べると今一歩足りない印象ではあるのだけども、どこぞの地方の古い味って言われると、そうかもなって思えるような、嫌味のない一杯です。

ちなみに、にんにくラーメンというメニューが別にあるんだけど、やはり、ベースにちょいと個性を加えたい流れなのか、通常ラーメンにも、その場で摺りたての生ニンニクちょこっと、いわゆるニンチョコを、ご希望に応じてサービスしてくれます。

これは二郎の如きガツンではないのだけど、丼の底に雌伏しており、あっさり食べてきた後半にヒョイと顔を出して、飽きづらい工夫になってますよ。　

かつての旨すぎないラーメンが大きく変わらず残っている、いや、実際のところは、周囲の進化のスピードよりもだいぶゆっくり磨かれつつ今日に至っているのかもしれませんが、共に時を重ねてきた地元民にしか分からん文化価値があるかもな。