遠方からの来訪者と中華街に遊びに行く時、食べたいものを聞いてみると「餃子!」とか「炒飯!」みたいな答えが返ってくることが多いようです。
ぶっちゃけ、期待に応えるお店は無いんだよな!
ガチな中国料理も身近になってきた昨今ではありますが、それでも日々親しんだ町中華の延長を期待するお客さんがまだまだ少なくないのかもしれません。
店側の意識とのズレはあると思うのです。
現実的には本格料理を掲げても品書きから日本人なじみのベタ料理を外せないお店がほとんどだと思うのですが、それらをテキトーにやっつけるのではなく、なにか1品でもわかりやすい上位互換を提供して、名物化するのが正解なのかもしれませんね。

水餃子で有名な「山東」が、先ごろ長安道に移転してきました。
元「海王」で、最近ではガチ中華フードコートが入って、1mmもハネずに撤退していった、あの場所です。
かつて関帝廟通りにあった頃は、民家の台所のような環境で営業していた記憶がありますが、路地裏の穴場、ビブグルマンな地位を経て、こんなピカピカな大店舗を構えるようになったのかぁという感慨よね。
座席は3階までありそうで、このくらいのキャパがあるのなら、もう行列を心配せず、気軽に立ち寄れるんじゃなかろうか? 観光で利用するには非常に助かりますよね。
伝票も自己記入式。ヲバちゃんたちがゆる~く対応しております。

メニューは餃子を柱に、定番品をわかりやすくならべ、値段は比較的手頃かな。
それらに加え、季節料理や地元料理を別紙提示することで単なる水餃子屋じゃないんだぜっていう矜持をチラリ見せているのですが、「おっ!」と気分が上がるのは注文前だけかもな。
ピリ辛ダレがかかった山東燒雞は、いったん揚げた丸鶏に香辛料を詰めてじっくり蒸し上げる料理みたいなのですが、こちらでは中華スープで煮込むと書いてありました。
ずっと冷蔵されてたようなシナシナっとした作り置き感強めの冷菜だな。

ややヌケた分、ほっと落ち着く、山東菜と春雨のニンニク炒め。
家庭料理というジャンルは変わってないのかもしれません。

アサリと生姜のスープは、ペラいボディにえげつないくらいくらいのコショーをきかせて、すげー味だな。
もしや!?と思わせつつ、やはりお料理はあんまり期待できない「山東」です。
2階にはガラス張りの立派な厨房も見えましたが もっぱら冷凍餃子を茹でるだけなので、すでに持て余気味ではありました。

以前から、注文は水餃子とビールだけで十分とも言われております。
手延皮のコロンとしたフォルムがそれっぽく、噛むとスープが飛び出るので、慎重にいただきましょう。

餃子そのものよか、ココナツをたっぷり使ったオリジナルのタレがキモなんだよな。
水餃子などは冷凍でストックされており、テイクアウトりの際はこのタレもつけてくれますよ。

水餃子を2皿重ねるよりは、バリエーションつけようぜというセロリ水餃子&桃肌水餃子。
やや冷凍焼けたルックスで、独特な風味の前者はシャキシャキというよりザラザラな舌触り。桃というよりは赤紫な後者はよくわからんけど、海鮮入の餃子のようです。
とりあえず、タレの味が強いので、それぞれの餃子の違いは大きく目立ちません。

大根野菜餃子はむっちりな蒸し餃子でした。

新要素として、入口脇でパティシエが作るというデザート類が気になりましたが、このときはまだ提供前だったので、注文できず。
テイクアウトもできるようなので、また今度覗いてみますね。
コメント一覧
この前、久しぶりに行こうとしたら、新店舗になっていて驚きました。そして、出てきた料理に二度ビックリ。水餃子も小籠包も注文して2分くらいで出てきました。立派なのは建物だけでした。
>ミノブタさん
水餃子だけでも包みたてを提供すれば、もっとおいしいんだろうなぁと思ったりはします。
ココナツのタレにリピートする気になれず他の料理を食べたことがなかったけど
1号店の脇に中華鍋がたくさん捨てられてるんで中華料理も美味しいのかと思ってました。
>匿名さん
あー、ゴミから垣間見る中華街ってのも面白い視点だわ。
でも、お料理は深堀りしなくて良さそうだけどね。