宮崎名物のチキン南蛮。
「おぐら」がその発祥店として知られておりますが、延岡で生まれた後に試行錯誤を経て今日の形に仕上がったようなので、どの時点に中興の祖を置くべきなのかは意見が分かれるところかもしれません。
こちらの老マスターは、かつて「おぐら」の姉妹店にて、チキン南蛮を工夫していた担当者であるとのことで、往年の味を今に伝えているようです。
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お店は歓楽街ニシタチにある、嘗ては映画館だった飲酒ビルに入居しております。
中に入るとふあんと鶏油の匂い。
カウンター主体の小さなお店で、設備はもうだいぶ古いのですが、可能な限り清潔に維持されている印象です。
この日は夜の口開けにすんなり滑り込めて、ゆったり座らせてもらったのだけど、別の日は、いきなり行列ができていたりもしたので、人気店であることは間違いなさそうよ。
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チキン南蛮は、甘酢にしっかり浸す工程があるため、どうしても温度がヌルくなる宿命があります。
しかし、こちらは作りたての熱を感じられるのが、まず良いところ。
自分ちで小ぶりな丸鶏から捌くというムネ肉は、しっとり柔らかく調理されており、やはり、モモ肉よかこの料理に向いてるというか、ムネ肉をおいしく食べるためのお料理なんだなと感じます。
甘酢&タルタルの味付けについても、全国普及版とはちょっと異なるのよ。
ほんのりスパイスも香る甘酢は、酸の角が立たない、むしろ甘みを感じるチューンだし、タルタルソースも軽やかで、マイルド&クリーミーな仕上がり。
これまで私がイマイチだなぁと食っていたとチキン南蛮よか、もっとずっと上等なお料理だったんだなと認識を新たにしたのです。
炊きたてのご飯もおいしいし、おそらくは他の洋食も間違いなく丁寧に調理してくれるお店だろうな。
大満足の夕食になりました。
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