広島には、ホルモンの天ぷらというローカルグルメがあります。
主に太田川放水路の西岸にある福島町あたりの食文化みたいなんだよね。そこらは江戸時代、革田と呼ばれる者たちの居住地だったようで、戦前から市営家畜市場が置かれるなど、要するに、そういう背景がある土地柄です。
正直言うと、なんでホルモンを天ぷらにしなきゃならんのかと不思議に思ってたのです。
広島ならば、瀬戸内海鮮のタネがいっくらでもあろうにさ!
現在はごくごく普通な住宅地の風景。
食肉市場も中央卸売市場に隣接する形で移転済とのことで、町内の食肉産業もだいぶ縮小したようですが、決して多くはない町内飲食店の過半がホルモン系という面白い土地なのよ。
周辺に観光スポットは無いので、なにかのついでにたどり着くことはありません。己が食欲を試されますな。
今回は市営住宅脇のミニ飲食街にある、こちらの小さなお店に入ってみました。
意外なことに、女性客や子供連れも食べに来てるのですよ。女性のみで運営されている明るい環境のお店で、お姉さんが丁寧に案内もしてくれるから、安心して利用できますよ。
ランチセットのご飯を天ぷらに置き換えてもらいました。
ホルモンの天ぷらは、揚げ置きを積み上げてたり、自分で切ったりするお店もあるようですが、こちらのお店は揚げたてを、お姉さんが切って持ってきてくれる式。これは大きなアドバンテージです。
衣はバッキリで、酢醤油+韓国唐辛子をちょいと付けながらいただきます。
奥の白肉はハツのことかな。なるほど、より歯ごたえあるイカって感じ。真ん中の脾臓はレバーフライ風だね。そして、豚の胃のビチが天ぷらネタとしては一番好みです。ほどほどの歯ごたえとジュンわり滲むお味がイケますわ。他にも種類があるのですが、部位ごとの味わいや食感の差が面白い。
うん、なるほど。天ぷらがベストかどうかは分からんけど、ホルモンは天ぷらにしても旨く食えるもんだなってのは理解できました。
それよか、でんかくうどんが感動する旨さだったのです!!
でんがくとは、シロ、ガツ、ハチノス、センマイなどのミックスホルモンをあっさり炊いたもので、ダシの出た塩味のスープをいただいたり、うどんやラーメンにしたりもするらしいのです。
うどんがベストマッチ!
たっぷり乗っかったホルモンは、丁寧にした処理され、柔らかい。ほどよく風味を残しつつも臭みはありません。すごく旨い出汁も出てて、もう最高じゃんか。これはマブでヤバいわ!
お料理は総じて洗練された印象です。初手でこのお店に入ることが出来たのは僥倖でした。
ちなみにお店の看板にもなっている ”せんじがら” はホルモンを揚げたローカルフード。
店頭でビニール袋につっこんで売られているんだけど、これも人気らしくちょいちょい買いに来るお客さんがいる様子でした。
さすがに小汚ぇオッサンがホルモンぶら下げて街を歩くのは不審すぎるので見送ったのだけど、絶対旨かったんだろうなと、買わなかったことをずっと後悔しておりますよ。
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