従来、地元の農家がそれぞれ手作りしていたという笹団子。
街中でも主に小さな餅菓子屋さんが商っている印象ですが、「田中屋本店」はお土産供給可能な生産体制を備える大店です。

昭和6年創業。
駅ビルお土産街の入口にどーんと出店する他、伊勢丹やイオンなど、県下に10の直営店を構えております。
出張族だけでなく、地元のお客さんも繁く買いに来ている印象なんですよ。
笹団子は通常5個1単位で結ばれたものが販売されますが、当店含めバラ売りにも対応してくれます。
私もホテルで食べるおやつを求めたところ、えっ?一つきりでいいんですか? 足りるんですか?的なお姉さんの反応を受け、御当地の笹団子ホリックぶりを改めて感じるのです。
新潟民はいくつ食うのが標準なんだろね?

越後の餅菓子は、餅というより団子が主流みたい。
華やかな菓子文化ではなく、農家がくず米を集めてこしらえていたような素朴な背景もあるようです。

かつて砂糖は高級品だったので、手近な総菜を詰めた軽食こそがそもそものルーツともいわれます。
上は甘くない塩味のあんこが入った、おやき団子。
もっちり柔らかな生地。甘いあんこのような潤いはなく、モッソリな豆粒子感があって、豆好きには塩餡も旨いのよ。
甘辛味のきんぴら団子もイケるお味です。長野のおやきもそうだけど、この辺をブラッシュアップしたら、良い軽食になるんじゃないかなと思うんだけどな。全国的には受けないものなのかな?
なお、地元上級者向きのきんぴら入りや海藻を使ったあらめ入りの笹団子も販売されており、そっちも味見したかったな。

笹団子は緑はよもぎ由来。
さらに笹の葉で包んで蒸すことにより、香りを重ねているのが面白いところよね。
生地はうるち米だけでなく、もち米の粉もブレンドして作るようで、ハイブリッドなたっぷりもっちり食感なんだよな。
中のあんこも負けず食べごたえがあって、おいしいわ。

本町市場にある支店の店頭では、お母さんがい草でキュキュッと笹団子を縛っている実演風景が拝めますよ。

様々なお店が笹団子を扱う中で、結局、お土産にはどれを選べば良いのか?
今回、私は田中屋を選びました。
ぶっちゃけ、食べ比べた限りでは、お味に劇的な差は無いのよ。
大手といえど、製法や手作業は変わりないからなんだろうね。
まずは買えなきゃ意味ないし、調達が容易で、なおかつ高回転のお店がベストだと思うのです。
帰り際にゲットしたこのお団子は、夜でもまだ柔らかく、たっぷりな食感が魅力でした。

田中屋は駅お土産街のおにぎり販売スポットでもあるのですよ。
ただ、甘めな醤油おこわのおにぎりはだいぶ製品的で、団子類ほどの旨さは感じなかったかな。
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