「亀の井ホテル焼津」に泊まったのは、理由がありました。

花沢の里へのガイドツアー付き宿泊プランがあったんだよ!
地元のボランティアガイドさん達と提携しているらしく、丁寧な案内のつく朝食後2時間ほどのツアー。
電車旅の我々にとって、駅から徒歩圏外の観光はなかなかめんどくさく、行きはともかく帰りのタクシーが手配できるかハラハラしちゃうので、ホテルのバスで送迎してくれるのはとっても助かりますね。

花沢の里は焼津市の北にある山あいの集落です。
日本坂越えの旧街道にあたり、武田信玄の駿河侵攻においては、抗戦虚しく花沢城とともに丸焼きにされた歴史があるようです。

明治以降は「嫁に行くなら花沢へ!」といわれるほど、みかんの栽培で大変に景気が良かった土地らしく、当時のお屋敷が今も残り、静岡県初の国指定重要伝統的建造物群保存地区になっています。

そのうちの一軒がビジターセンターとしてきれいに整備されておりました。

造りも立派なのですが、みかん栽培、養蚕、製茶など産業の痕跡を残す構造が特徴で、ガイドさんの解説により見学の深度が増しますね。

母屋は山肌側にあり、道路に面しているのは、みかんの貯蔵や出荷のための付属屋が多いようです。
それらを繋ぐ長屋門の構造で、渡り廊下部分の小部屋には季節労働者が泊まってたんだって。

川沿いの緩やかな坂道を登る、なかなか味わいのある風景です。

花沢の里はハイキングや登山道の入口にもなっているようで、近年は多くのハイカーが訪れているようです。
この日も麓の駐車場もいっぱいだったわ。

土地が狭いので、道路際の石垣や直上の建物が遊び無く立ち上がっているのが特徴。
黒色が多いのは、腐食防止に船で使うコールタールを塗っているからだというのが、港町焼津っぽいところかな。

突き当りの「法華寺」で折り返しです。

焼き菓子の販売もしているカフェ「カントリーオーブン」も営業中。

店内には蔵を改装した飲食スペースや隠れ家本屋さんなどがあり、なかなか楽しいお店よ。
ぶっちゃけ、このツアーがなかったら、訪れる機会はなかったであろう場所でしたが、おかげさまで、とても良い観光になりました。
開催曜日の限られたプランではありますが、滞在中の館内サービスにとどまらず、地域の観光にスムーズにつなげてくれる試みはありがたいな。ぜひ全国で拡充を期待したいですね。
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